いくらでも魚はいる

感想文と旅行

Blackfish (2013)

映画の感想など書こうと思って始めたこのブログですが、映画館に全く行かない生活になってその存在も忘れかけていたら、ふとAmazonPrimeに入ったことによってまたテレビをつけるようになり、ついでに未見だったドキュメンタリーを見ました。

 

オーランドのシーワールドでシャチがトレイナーを殺した事件の映画。ショーが仕事なだけあってトレイナー達の映像は随分古いものから残っている。ショー自体も、日本で見るものよりずっとアクロバティックで大胆にシャチに接触していて驚く。体力の必要なトレイナーは若くして仕事を始めるので、アメリカ的なポジティブな考え方と理想的な職場の雰囲気にすんなりとけこみ、海の生き物と分かり合えることに疑問を感じることはない。その一方で映画はシャチの脳には人間にはない部位があり、人間よりも賢いこと、その高度な社会生活から子供を奪ってくること、虐待的な飼育を行い、シャチの人格形成を踏みにじっていることを割と淡々と説明してくる。いろいろあって事件は起こる。

 

御蔵島でイルカと泳いだ時もそう思ったけど、海の哺乳類の生態を知るにつけ、水族館で産み育てられる彼らのディストピア感はんぱない。映画の終わり近くで、でもああいう施設がなかったらみんな海の生き物に関心を持たなくなってしまうから必要なんだという意見も流され、反してラストはトレイナー達が野生のシャチの群れを海に見に行くシーンで終わる。群れによって全て違った言語をもつというシャチの一族が優雅に海を泳ぎ、自由に潮を吹く姿はとても美しい。