いくらでも魚はいる

感想文と旅行

オープンザゲート。<僕たちがやりました>

フィクションに完全犯罪は存在しない。

わたしたちがその罪を知っているからだ。

それは犯した時と同じ仮面を被って彼らを追い、逃げ切ることを許さない。

リンチに遭った友達の復讐として相手の学校に爆弾を仕掛けるという負け犬の発想から物語はスタートし、「そこそこの幸せ」というくだらないものを大事にしているトビオの友情は何度も試され、その度にあっけなく崩される。主人公たちの信頼関係の薄さや、それに気づいていながら結局その関係性に戻っていく姿が非常にリアルだ。犯行前にのんきに「スタンドバイミーみたい」と思ったり、ホームレスに弟子入りしたり、逮捕の危機でありながら最も思い悩むのが恋愛だったり。窪田正孝がとにかく上手くて、暗い話を軽々とみせながら、奈落の底に落ちる恐ろしさも実感させてくれる。今野もすばらしく、最後の一連のせりふなんてパイセンじゃなくて今野が喋ってるようにしか見えない。市橋は上手な役者に囲まれて最初そのつたなさが浮き出ていたけど、どんどんよくなって、思い返せば一番いい役だった。いくつもチャンスがありながら最後までトビオは救済に辿りつくことはできないままで、他者の目線を気にしすぎるとっても日本的な終わり方なんだけど、門を開けるのはいつでもできる、その手がかりはちゃんと描かれていて良かった。