いくらでも魚はいる

感想文と旅行

真夏の方程式 (2013)

西伊豆・大屋荘に泊まった際にダイビングインストラクターまさしからこの映画について言及があった。近くで撮影していたそうで、「出てくる海が南国じゃなくて本当に伊豆ってかんじ」であると聞いたことをいまさら思い出し、秋の存在感もなく冬に突入しようという2017年10月終わりにAmazonPrimeで視聴。

 

海の中がものすごくきれいだ。プロの仕事ってすばらしい。植物も動物もまぎれもなく伊豆で、その昏い雰囲気も表れているのに透明感があり、ずっと見ていたい。杏が長い手足をウェットスーツにつつんで素潜りしている姿も美しい。その演技も含めてこの映画では杏が一番良かった。やっぱり映像にするにはスキューバじゃなくてスキンの方がずっと絵になる。陸の風景もとてもきれいに映されていて、西伊豆には「夕日が美しい」ことを強調するポスターやパンフレットが多く、感性の乏しいわたしは今までぴんときていなかったんだけど、この映画ではちゃんと見事な夕日もさりげなく登場していて、地元の人間のように誇らしく思った。

 

一番よいのは福山雅治が子供とロケットを飛ばすシーン。ガラケーの小さい画面がちゃんと海面を下にして着水するかなあとも思うんだけど、1回でだめだったらできるまで飛ばせばいいよね。でもまるで魔法のようにうまくいく。実験の楽しさ。

 

物語は特筆すべきところはない。東野圭吾に感心したことは一度もないが、いつも通りの薄い話だ。あんなことで悲劇が生まれ、それに感動できるならば、よほどコミュニケーションが稚拙な人間関係の中に生きているのではないか。「物語る私たち」を観たほうがいい。伊豆を旅しているとその昭和的風景にいつも驚いてしまうんだけど、久しぶりの日本のミステリもまた昭和的で、進歩のなさにめまいがする。ただ映画としてはウェットな部分をだらだら描写せず、さらりと終わるので割とストレスなく見終わった。

 

 

 

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