いくらでも魚はいる

感想文と旅行

Violence begets violence からの <スリー・ビルボード> (ネタバレ)

フランシス・マクドーマンドが酒の瓶を持って立ち上がった時、私たちはもう期待している。誰がビルボードに火をつけたのか、ついさっきわかった。ポロとポリオの区別もつかない小娘を連れた役立たずの昔の夫が、小人とディナーしていた彼女を笑っているテーブルへゆっくり歩いていく。ミルドレッドはやる時はやる女。車にジュースを投げつけた高校生の股間を蹴り上げ、無能な警察署は燃やす。頭のわるい19歳がなぜbegetsなどと言ったのか聞きながら、私たちも固唾をのんで見守る。

しかし彼女はワインの瓶を男の頭で割ることなく、テーブルに置いた。ゲームオブスローンズの人から最もなことを言われ、violence begets violenceもまた、最もなことであるからだ。

この映画はひどい目にあった者がその相手をゆるすことが繰り返される。窓から突き落とされた若者が愚鈍な警官にオレンジジュースを注ぎ、愚鈍でレイシストの警官は自分を燃やしたミルドレッドの娘を殺した犯人を探して殴られ、自殺した署長は広告代を支払い、ミルドレッドは犯人を見つけられない社会に向けてビルボードを出し、その下に花壇をつくる。